[語学学習の基本]基礎・文法編
語学学習の基本シリーズ・基礎の文法編です。
文法って苦手な方が多いと思います。個人的にはパズルみたいでルールさえ押さえておけばあとは応用するだけ!という感じで特に苦手意識はありませんでしたが、基本学習の最後の山であることは間違いありません。
たかが文法、されど文法。文法は文法問題を解くためにあるのではなく、単語の意味だけでは捉えきれない文章や言葉の意味を探るために必要なコンパスです。この機会に使える英文法、習得しましょう。
[語学学習の基本]
・入門
1. 外国語学習の心構
2. 外国語学習の方法
・基礎
1. 発音 I アメリカ英語編
2. 発音 II イギリス英語編
3. 語彙編
4. 文法編
・展開
1. 音読パッケージ編
2. 瞬間英作文編
3. 精読・多読編
I. 使える英文法とは
文法自体の勉強は苦でなくても、実際に会話や文章の中でどのようにコネクトしているのかがいまいち掴めない。
運転免許を取得する際は、交通法規を机上でうんと勉強することになります。その後実際運転する中で、感覚的に身についていき、自然と反応できるようになります。
文法に関しても一緒です。基本的なルールをまず学びながら感覚を掴み、実際に会話や文章の中で運用しながらその感覚を磨き上げていくことが一つの指針となります。
例えば日本語を少し話す海外の方が「私が水は飲みたいです」と口に出した瞬間、私たちは言葉でうまく説明はできなくても、違和感を覚え、間違いがあることはわかるはずです。
私たちが英文法を学ぶ上で目指すべきなのは、この違和感の習得です。また正しいと自信を持って文章を組み立てられる感覚です。文法問題を解くためではありません。
この感覚、実は単語学習の際に「イメージで捉えてください」と言ったことと重なります。
例えば、"I have been to paris once before."という文章を見たとき。「あ、have + 過去完了だから現在完了形だ!完了と経験と結果と継続と4つがあって...」となった場合に、文法知識の習得は申し分なく仕上がっていると思います。
しかし、"I have been to paris"ときた瞬間に、とっさに「パリ行ったことあんねんな」と湧いて出てくるようになるのが、身となった英文法であり、先ほど「感覚」と言った部分です。
つまり、単語と同じように、ひたすら耳・口・手を動かして体に馴染ませるのです。基本的な文法ルールは平易なドリルなどで練習問題を解き正確に覚えながら、例文をひたすら音読し、意味のイメージとして脳内に叩き込みましょう。
次回以降紹介する音読や英作文の練習の中で、その感覚はより自然なものとして身についていきます。そうなればしめたもの、あとはアドリブで応用するだけで思うほど難しくありません。
音読はどんな言語教育でも必ず最初に通るオーソドックスなものです。しかし、やる意味や効果を知らずにただひたすら「させられている」感が拭えず、真価を発揮できていないのが大半だと思います。
この機会に騙されたと思って、一度何度も音読し、暗誦できるまでに仕上げて見てください。
II. 文法の勉強
外国語で本を読みたい!ということであれば、みっちりと文法を仕上げなければなりませんが、英会話に限って言えばほぼ中学英語程度の文法で事足ります。
よく、「中学英語で会話ができる!」という見出しの本を見ますが、実際の文法構造自体がそんなものなのです。なので、基本学習では中学英文法の総ざらいを行いましょう。
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さっと中学レベルの英文法をおさらいしたい方にオススメです。英文法の基本中の基本である5文型の解説を皮切りに、中学3年間分の内容を30日間で一通り学べるようバランスよくまとめられた良著です。
解説も難しいこと抜きに平易に書かれており、特に一人で勉強するにはもってこいの教材です。音声教材も利用しながら、ぜひ音読して例文をマスターしつつ進めましょう。
ついでに欲を出して高校レベルの文法も一緒にやっておきたいという方は、シリーズとして続編も出ていますので、チャレンジするのもいいかと思います。
Mr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]
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英文法マスターコース Mr.Evineの英文法マスターコース 高校修了→大学入試 (Mr. Evine シリーズ)
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また、かなりレベルは上がりますが、参考書として以下の本も持っておくといいと思います。英文法書関連では群を抜いて人気の一冊です。
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
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こちらは、ドリルが付いているわけではないので、基本的に文法項目の一つ一つに丁寧な解説が付いているものになります。
基本学習では特に最初から最後まで 一気に読み進める必要はありません。ドリルを解きながら、どうしてもわからない部分、納得のいかない部分を参照する、辞書に近い使い方をすべき一冊です。
一見すると情報量に圧倒されるかもしれませんが、とてもわかりやすい文章で、特にコミュニケーションを主軸に英文法の解説が入っており、なかなか薄い文法ドリルでは補えない細かいニュアンスの違いなども網羅できます。
今後、より実践的な英語を習得したいと考えている方にはマストな一冊なので、ぜひ手に入れてください。そしてこの本を相棒に、大学受験向けの文法問題集を解いていきましょう。
受験をするわけではないので、特に重箱の隅をつつくような難関私大向けのものは不要です。ベーシックな問題だけで大丈夫です。下記の中から選んでいただいて構いません。
Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服
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UPGRADE英文法・語法問題文法・語法・語い・熟語・会話・発音/アクセント―〈データ分析〉大学入試
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文法問題集に取り組むに当たって、大事にしていただきたいのは、散々言っているのですが「感覚」です。正解を見つけるのではなく、ぴったり言葉を選ぶ、間違った言葉を省くと言った英語のセンスを磨き上げる訓練だと思ってください。
そして問題集も必ず復習を行うこと。間違った問題に対して、何を誤解していたのか、何を理解できていなかったかをしらみつぶし。そうやって言語のセンスは磨かれていくのです。
III. 構文の勉強
英文法の勉強に集中しているとついつい忘れてしまいがちなのが構文です。
構文はある程度決まった言葉の並びの公式みたいなものです。
例えば、
He is too stubborn to understand that.
(彼、頑固すぎてそんなこと理解できないよ)
構文の形だと、too A to do = A すぎてdoできない ですかね。
構文は日常会話や文章などでよく出てくる使えるようになると非常に便利です。特に数も少なく取り組みやすい分野の一つです。どんな本でもいいので、初期段階にまとめてパッと覚えてしまいましょう。
さらっと網羅しておきたい方は、こちらを手っ取り早く終わらせましょう。
キクブン270―聞いて覚える重要英語構文 (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
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ただし、構文の学習で注意したいことが、英文そのままでは理解しにくいため日本語訳がかなりこなれたものになっている点です。もともと日本語と英語は語順が異なる言語ですので、原文からはかなりあれこれと情報の順序や位置が異なります。
翻訳のテクニックとしては非常に重要ですが、英語で理解し英語で考え英語で伝える際には不要なルートです。
日本語訳はあくまで参考程度。英語として、同じ構文に出会った時にそのまま言葉のできた順番に理解できるように、リスニングや音読に励みましょう。
V. まとめ
以上、基礎編最終回、文法の巻でした。
発音・語彙・文法と一通り基礎体力づくり終えたみなさんは、地道に筋トレをこなしうっすらと腹筋が見えてきた細マッチョ状態!
今後の実践に向けて、ようやく基礎練習へと入る下地ができました。
さて、次回からは基本学習の発展編、音読パッケージの巻です。
お楽しみに!
Kitsuné