外国語GEEK Kitsuné の多言語学習BLOG

完全独学でIELTS 8.5 / TOEFL iBT 116 / TOEIC 965 達成。他の外国語も学習中。

[語学学習の基本]基礎・語彙編

語学学習の基本シリーズ・基礎の語彙編です。

単語は外国語の勉強の基本かつ、語学学習の最後の最後までつきまとうなかなか手強い相手であります。しかし、覚えれば覚えるほど表現の幅も増え、ある程度のラインを越えれば苦なく学習できる相棒的な存在になってきます。

また、単に単語を覚えるだけでなく、聞いて話して読んで書いて、と全ての技能と組み合わせながら学習することになるので、知らずうちに英語そのもの自体のスキルがアップするおいしいパートでもあります。

単語帳は文法書と並び、勉強法と同じくらいどれを使うかが肝心です。本屋に行くと圧倒的な単語集の種類に圧倒するかもしれませんが、選ぶ際の基本的なポイントと、僕の目線から学習目的別にいくつかピックアップしたものをご紹介します。

[語学学習の基本]
・入門
 1. 外国語学習の心構
 2. 外国語学習の方法
・基礎
 1. 発音 I アメリカ英語編
 2. 発音 II イギリス英語編
 3. 語彙編
 4. 文法編
・展開
 1. 音読パッケージ編
 2. 瞬間英作文編
 3. 精読・多読編


I. 単語集選びの基本

本屋に行って単語帳を選ぼうとすると、大型書店だとほぼ本棚一段を占拠していて途方に暮れた経験のある方も多いと思います。

それぞれに特徴があり、TOEICTOEFLの試験対策向けのものあれば、網羅的に全てまとめられたもの、はたまた英語のレベル向けに別れたものまで。

特に初学者の方や英語の勉強が苦手な方は、選ぼうにも中身を見ても違いがはっきりとわからず、タイトルや謳い文句で決めてしまうことも多いかもしれません。

単語帳に関しては、それぞれ英語を勉強する目的も違うと思いますし、自分に合ったものを選ぶのが一番だと思います。僕も後ほど紹介させていただきますが、必ずしもそちらにする必要はありません。

必ず学習を始める前に立ち読みや図書館などで試し読みをしてみて、単語の種類やページの構成など自分との相性をよく考えて選んでください。

ただし、必ず以下のポイントを満たしているものを選んでください。

・CD付きやダウンロード可など、音声教材付きのもの
・必ず新出単語の例文やフレーズがあるもの
・発音記号がついているもの

① なぜ音声教材は必須なのか?

冒頭に述べたように、単語の学習はListening / Speaking / Reading / Writingの全てに関わり、また実践的に使えるようにするためには必ず音声教材が必要です。

覚える際に使わなくても、今後他の様々な学習を行う上で非常に良い教材になることも多いです。

② 例文やフレーズがは絶対必要?

日本語でも同じように、単語は単に単語だけで使うわけではありません。文章やある程度の単語の塊で使われます。

つまり、単語を覚える際に実際に使える文章と一緒に覚えてしまう方が、単語をイメージとしてより簡単に脳内にインプットできるのです。

③ 発音記号はなぜ必要?

発音記号は新出単語を勉強していく中で最初に音を掴むために必ず必要です。勘で進めて間違えた発音で覚えてしまったら、なかなか矯正には時間がかかります。

また強勢(強く発音する位置)もセンター試験や語学試験でも頻出のため、一度に覚えてしまいましょう。何も試験のためだけでなく、自然な英語の発音のためにも必須です。


II. 単語学習の進め方

一般的に、大学入試に必要な単語数は5,000語程度とされていますが、内容の差こそあれ語数だけで見るとネイティブスピーカーでは5歳程度のレベルとのことです。

大学留学やビジネスで使えるレベルには12,000語程度(それでも中学生レベル)、大学院では15,000〜20,000語程度、そしてプロの通訳に必要とされるネイティブの成人レベルは30,000語らしいです。気の遠くなるような量です。

しかし、あまり心配する必要はありません。ある程度、12,000語以上を超えてくると新しい単語が出てきてもさほど苦ではなくなります。

というより、その頃には会話や文章に出てくる単語の9割ほどは分かっている状態になるので、知らない単語が出てきても、言葉の塊の中でも目立ち始め、自然と語彙不足を拾えるようになるからです。

しかし、その12,000語程度に行くまではなかなかハードな道のりです。みなさんが基本学習で抑えていかなければならない単語数はその半分程度、5,000語になります。

ただやみくもに文字列だけを覚えていくのではとても追いつきません。そこで、ちょっとしたコツをお教えします。


① 単語を視覚的なイメージで捉えよう!

単語学習はとかく、一対一、もしくは手早く対応するいくつかの日本語訳を覚えることに終始しがちです。もちろん、基本はそのような手順になるのですが、もう一点、イメージとしても単語を捉えるようにしてください

例えば"cute"という単語。みなさんはパッと「かわいい」という対訳が出てくると思います。実際、Weblioでこの単語を調べてみると、かわいい以外にも「きれいな、利口な、抜け目ない」というちょっと予想もつかない意味もでてきます。

例えばここで、ちょっと小悪魔的な女の子のイメージと、訳語をもとに視覚イメージと単語を結びつけてしまうのです。単語帳の該当ページ、単語の横にでも、わかりやすく簡単なイラストを書いておきましょう。復習する時のも効果的です。

これは後々、ネイティブレベルのスピードで話す時に利いてきます。例えばAppleという簡単な単語ひとつにしても、Apple = りんご、と覚えるのではなく、Apple =  = りんご、とイメージを挟んで覚えましょう

最終的にApple =  の部分で意味がわかるようになり、よりスムーズな英語モードでの思考やレスポンスが可能となります。

りんご、は最早簡単すぎるので、もう少し難しい言葉に関してはGoogle画像検索を利用するのも一つの手です。

例えば、clairvoyantという単語があります。皆さん、意味ご存知ですか?(余談ですが、ちなみにフランス語の知識がある方は、簡単に推測できますね)

実際にイメージ検索で出てきた結果はこちらです。

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一発でお判りいただけると思いますが、何かスピリチュアルな匂いがしますよね笑。「透視の、千里眼の」という意味です。

イメージで覚える際の補助材料にしていただきたいのですが、ここで試しに日本語で「透視」や「千里眼」と入れてみてください。全く違うイメージが出てくるはずです。ちなみに私は千里眼でラーメンの画像しか出てきませんでした笑。

つまり、Google画像検索では、それぞれの文化の違いからくる言葉のイメージの違いも、まるごと見せてくれるのです。新しい単語を使って見る前に、google 画像検索にかけてみるのも面白いかもしれませんね。

また画像自体も日本で見かけ内容のものも多くインパクトが強いため、より一層記憶に残るのではないかと思います。ぜひこのGoogle画像検索併用術、試してください。


② 五感を総動員して体に馴染ませよう!

単語を覚えようにも、基本的には「ひたすら口に出す / ひたすら聴き込む / ひたすら書き込む」のパターンしかないですよね。

最終的には話したり書いたりと結局体を使うことになるわけですから、インプットする時点でそれしか方法がないのも事実です。

そこで、一つ追加で実践していただきたいことがあります。必ず一つの行為で二つ以上のアクションを重ねることです。インプットとアウトプットが同時に行うのです。

例えば、音読は、その行為自体が文字を読むこと、そして口に出すことを同時に行なっている行為と言えます。書いて覚える際も口に出してみてください。音声教材を聴きながら手を動かして書き、口にも出すというトリプルアタックも効果的です。

書く写す際も、紙にする必要はありません。スマホでもPCでもいいので、メモ帳やMicrosoftのWord、Googldeのドキュメント機能でもいいと思います。

スペルを思い描きながら、言葉のイメージと音のイメージをひとまとめにしていく。ボキャブラリーを増やしていくとは、そういう行為だと思ってください。


③ 必ず単語集は完璧に仕上げよう!

単語集は一度やりきって終わりではありません。何周も何周も繰り返し勉強し、一冊を完璧に仕上げることが一番重要です。何周もするというのは、果てしなくも思えると思いますが、二周目の際に案外するっと終わってしまうことを実感できると思います。

なぜなら、一周目の際にちゃんと山を乗り越えられた方は、使えるようになっている単語、少なくとも半分程度のものは目を通すくらいで問題からです。あとは徹底的に弱点を克服するのみだからです。

完璧にと言っても、単語集の中身を一字一句全て暗記せよ!というわけではありません。先に述べたように、イメージで単語を覚えているはずなので、単語を見た瞬間に意味内容のイメージがふと浮かび上がればそれでOKです。

例文もあるはずなので、パッと見た瞬間、また音声教材を聞いた瞬間に意味がわかれば問題ありません。少しでも違和感や引っかかりがある場合は、立ち止まり復習してください。単語が自然と体に馴染んでいる状態が重要です。

その状態になるまでやり込みましょう。

物覚えの良い方は3周もすれば充分かもしれません。暗記が苦手な方は10周は必要かもしれません。が、スピードは関係ありません。みなさんのペースで、目標に向かって英語を自由自在に操るイメージを常に頭に浮かべながら取り組んでみてください。


III. 日常会話中心に学びたい方へ

主に海外旅行の際に英語でつまづきたくない、または国内で外国人とコミュニケーションを取っていきたい!という方は、難しい専門用語やビジネス用語は特に不要かと思います。

単語学習の時点で、日常会話で必要なものに限定して勉強した方が効率的です。また、あまり必要のない単語に取り組んで挫折してしまっては本末転倒。

そこでぴったりだと思う教材はこちらです。

英単語・熟語ダイアローグ Basic 1200

英単語・熟語ダイアローグ Basic1200 三訂版

英単語・熟語ダイアローグ Basic1200 三訂版

 

 前項目でお話しした3点はもちろんクリアしています。日常会話形式の短いダイアローグで全課が構成されていて、実際に日常会話で使うフレーズも数多く掲載されています。

別項目でオフィスや家でよく使うものの単語もイラスト付きで紹介されています。なかなかこういう単語は他の体系的な単語集では網羅しづらいのも事実なので、日常会話に特化したい方には本当にオススメです。

英語も、アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア各地域の声優さんが参加しており、基本的なアクセントはこちらの一冊である程度慣れることができます。

文章量や速度もちょうどよく、また後ほど紹介するリピーティング・シャドーイング・ディクテーションの教材にもぴったり。

また、学んだことが即実践に使えるのもこの本のメリット。実際に英会話や外国の友人がいる方は学んだことを早速実践でトライしてみてください。単に海外ドラマで自分の知っている単語が増えるだけでも、勉強して身になっている実感が湧くはずです。

発展編のダイアローグ 1800も、もう少し踏み込んだ単語や熟語が満載です。コミュニケーションに特化されたい方はこの二冊を完璧にし、実際の会話で出てこなかった、あるいは知らなかった単語をリストアップしていくのがベストでしょう。

英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版

英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版

 

 

IV. 実践力のある英語を学びたい方へ

日常会話だけでなく、検定試験が控えている、あるいは留学やビジネスで高度な外国語能力の運用が必要という方はより踏み込んだ語彙力が必要で、より体系的にまとめられた単語集で網羅的に進める必要があります。

膨大な量の単語がレベル別に振り分けられたものを利用し、段階的に勉強していきましょう。

TOEICTOEFL・IELTSといった各試験に関しては、効率的にボキャブラリーを構築していくために、それぞれの試験の傾向に沿った対策本が必要になりますので、また別の機会にご紹介します。

しかし、各試験共に基礎力をつけなければ意味がないので、全く英語に自信がない方は下記の総合的なテキストから勉強してください。

それでは、実際のテキストの紹介に入ります。

単語集は、個々人の相性や好き嫌いもありますので、大まかに2種類ピックアップしてみました。実際に書店などで手に取り、頑張れそうなものを選んでください。


① 究極の英単語 シリーズ

究極の英単語 SVL Vol.1 初級の3000語

究極の英単語 SVL Vol.1 初級の3000語

 

 数々の英語参考書を出版してきたアルク出版を代表するこのシリーズ。全部でvol.4まであり、全部マスターすればTOEIC満点以上のレベルの単語をカバーすることができます。

アプリ版もあるので、通勤通学中に主に勉強されたい方は、こちらを選んでいただいて問題ないと思います。

実物を手に取り、掲載されている単語を眺めて見てください。9割以上自信を持って「これなら大丈夫だな」と思えるようでしたらvol.2から取り組んでもいいと思います。そうでない方はぜひここからスタートしてください。

基本学習中に関しては、vol. 2まで終わらせておけば問題ないと思います。それ以降は、個人のペースに合わせて積極的に、語彙力を増やしてください。


また、例文やフレーズだけでなく、リーディング対策でよりまとまった文章で勉強されたい方はこちらの「速読速聴・英単語 core 1900」をオススメします。

② 速読速聴・英単語シリーズ

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

 

 中身をご覧いただけるとわかると思うのですが、会話スタイルの例文から短いエッセイ形式の文章まで、様々なセンテンスに触れながら単語を勉強することができます。帯にある通り、一石五鳥の優れたシロモノです。

また、今後紹介する音読訓練などにも使えます。

こちら、日常表現に特化した初中級者向けのDaily、中級者用のCore、上級者用のAdvancedもあります。

こちらのシリーズも、基本学習中はBasic / Daily / Coreまでを完成させておきましょう。それ以降の語彙も、継続してまるっと覚えてしまいましょう。


V. まとめ

以上、語彙力習得学習のお話しをさせていただきました。

ぜひ実際に書店に行って、自分にぴったりだという一冊を見つけてください。

次回は基礎体力づくり最後の山、文法編です。

お楽しみに!

Kitsuné