外国語GEEK Kitsuné の多言語学習BLOG

完全独学でIELTS 8.5 / TOEFL iBT 116 / TOEIC 965 達成。他の外国語も学習中。

[語学学習の基本]基礎・文法編

語学学習の基本シリーズ・基礎の文法編です。

文法って苦手な方が多いと思います。個人的にはパズルみたいでルールさえ押さえておけばあとは応用するだけ!という感じで特に苦手意識はありませんでしたが、基本学習の最後の山であることは間違いありません。

たかが文法、されど文法。文法は文法問題を解くためにあるのではなく、単語の意味だけでは捉えきれない文章や言葉の意味を探るために必要なコンパスです。この機会に使える英文法、習得しましょう。

[語学学習の基本]
・入門
 1. 外国語学習の心構
 2. 外国語学習の方法
・基礎
 1. 発音 I アメリカ英語編
 2. 発音 II イギリス英語編
 3. 語彙編
 4. 文法編
・展開
 1. 音読パッケージ編
 2. 瞬間英作文編
 3. 精読・多読編


I. 使える英文法とは

文法自体の勉強は苦でなくても、実際に会話や文章の中でどのようにコネクトしているのかがいまいち掴めない。

運転免許を取得する際は、交通法規を机上でうんと勉強することになります。その後実際運転する中で、感覚的に身についていき、自然と反応できるようになります。

文法に関しても一緒です。基本的なルールをまず学びながら感覚を掴み、実際に会話や文章の中で運用しながらその感覚を磨き上げていくことが一つの指針となります。

例えば日本語を少し話す海外の方が「私が水は飲みたいです」と口に出した瞬間、私たちは言葉でうまく説明はできなくても、違和感を覚え、間違いがあることはわかるはずです。

私たちが英文法を学ぶ上で目指すべきなのは、この違和感の習得です。また正しいと自信を持って文章を組み立てられる感覚です。文法問題を解くためではありません。

この感覚、実は単語学習の際に「イメージで捉えてください」と言ったことと重なります。

例えば、"I have been to paris once before."という文章を見たとき。「あ、have + 過去完了だから現在完了形だ!完了と経験と結果と継続と4つがあって...」となった場合に、文法知識の習得は申し分なく仕上がっていると思います。

しかし、"I have been to paris"ときた瞬間に、とっさに「パリ行ったことあんねんな」と湧いて出てくるようになるのが、身となった英文法であり、先ほど「感覚」と言った部分です。

つまり、単語と同じように、ひたすら耳・口・手を動かして体に馴染ませるのです。基本的な文法ルールは平易なドリルなどで練習問題を解き正確に覚えながら、例文をひたすら音読し、意味のイメージとして脳内に叩き込みましょう。

次回以降紹介する音読や英作文の練習の中で、その感覚はより自然なものとして身についていきます。そうなればしめたもの、あとはアドリブで応用するだけで思うほど難しくありません。

音読はどんな言語教育でも必ず最初に通るオーソドックスなものです。しかし、やる意味や効果を知らずにただひたすら「させられている」感が拭えず、真価を発揮できていないのが大半だと思います。

この機会に騙されたと思って、一度何度も音読し、暗誦できるまでに仕上げて見てください。


II. 文法の勉強

外国語で本を読みたい!ということであれば、みっちりと文法を仕上げなければなりませんが、英会話に限って言えばほぼ中学英語程度の文法で事足ります

よく、「中学英語で会話ができる!」という見出しの本を見ますが、実際の文法構造自体がそんなものなのです。なので、基本学習では中学英文法の総ざらいを行いましょう。

 さっと中学レベルの英文法をおさらいしたい方にオススメです。英文法の基本中の基本である5文型の解説を皮切りに、中学3年間分の内容を30日間で一通り学べるようバランスよくまとめられた良著です。

解説も難しいこと抜きに平易に書かれており、特に一人で勉強するにはもってこいの教材です。音声教材も利用しながら、ぜひ音読して例文をマスターしつつ進めましょう。

ついでに欲を出して高校レベルの文法も一緒にやっておきたいという方は、シリーズとして続編も出ていますので、チャレンジするのもいいかと思います。 

Mr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]

Mr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]

 

 

 また、かなりレベルは上がりますが、参考書として以下の本も持っておくといいと思います。英文法書関連では群を抜いて人気の一冊です。

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

 

こちらは、ドリルが付いているわけではないので、基本的に文法項目の一つ一つに丁寧な解説が付いているものになります。

基本学習では特に最初から最後まで 一気に読み進める必要はありません。ドリルを解きながら、どうしてもわからない部分、納得のいかない部分を参照する、辞書に近い使い方をすべき一冊です。

一見すると情報量に圧倒されるかもしれませんが、とてもわかりやすい文章で、特にコミュニケーションを主軸に英文法の解説が入っており、なかなか薄い文法ドリルでは補えない細かいニュアンスの違いなども網羅できます。

今後、より実践的な英語を習得したいと考えている方にはマストな一冊なので、ぜひ手に入れてください。そしてこの本を相棒に、大学受験向けの文法問題集を解いていきましょう。

受験をするわけではないので、特に重箱の隅をつつくような難関私大向けのものは不要です。ベーシックな問題だけで大丈夫です。下記の中から選んでいただいて構いません。

これが入試に出る!英文法・語法問題ベスト400

これが入試に出る!英文法・語法問題ベスト400

 
Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服

Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服

 

 

文法問題集に取り組むに当たって、大事にしていただきたいのは、散々言っているのですが「感覚」です。正解を見つけるのではなく、ぴったり言葉を選ぶ、間違った言葉を省くと言った英語のセンスを磨き上げる訓練だと思ってください。

そして問題集も必ず復習を行うこと。間違った問題に対して、何を誤解していたのか、何を理解できていなかったかをしらみつぶし。そうやって言語のセンスは磨かれていくのです。


III. 構文の勉強

英文法の勉強に集中しているとついつい忘れてしまいがちなのが構文です。

構文はある程度決まった言葉の並びの公式みたいなものです。

例えば、

He is too stubborn to understand that.
(彼、頑固すぎてそんなこと理解できないよ)

構文の形だと、too A to do = A すぎてdoできない ですかね。

構文は日常会話や文章などでよく出てくる使えるようになると非常に便利です。特に数も少なく取り組みやすい分野の一つです。どんな本でもいいので、初期段階にまとめてパッと覚えてしまいましょう。

さらっと網羅しておきたい方は、こちらを手っ取り早く終わらせましょう。

キクブン270―聞いて覚える重要英語構文 (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)

キクブン270―聞いて覚える重要英語構文 (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)

 

 
ただし、構文の学習で注意したいことが、英文そのままでは理解しにくいため日本語訳がかなりこなれたものになっている点です。もともと日本語と英語は語順が異なる言語ですので、原文からはかなりあれこれと情報の順序や位置が異なります。

翻訳のテクニックとしては非常に重要ですが、英語で理解し英語で考え英語で伝える際には不要なルートです。

日本語訳はあくまで参考程度。英語として、同じ構文に出会った時にそのまま言葉のできた順番に理解できるように、リスニングや音読に励みましょう。


V. まとめ

以上、基礎編最終回、文法の巻でした。

発音・語彙・文法と一通り基礎体力づくり終えたみなさんは、地道に筋トレをこなしうっすらと腹筋が見えてきた細マッチョ状態!

今後の実践に向けて、ようやく基礎練習へと入る下地ができました。

さて、次回からは基本学習の発展編、音読パッケージの巻です。

お楽しみに!

Kitsuné


 

[語学学習の基本]基礎・語彙編

語学学習の基本シリーズ・基礎の語彙編です。

単語は外国語の勉強の基本かつ、語学学習の最後の最後までつきまとうなかなか手強い相手であります。しかし、覚えれば覚えるほど表現の幅も増え、ある程度のラインを越えれば苦なく学習できる相棒的な存在になってきます。

また、単に単語を覚えるだけでなく、聞いて話して読んで書いて、と全ての技能と組み合わせながら学習することになるので、知らずうちに英語そのもの自体のスキルがアップするおいしいパートでもあります。

単語帳は文法書と並び、勉強法と同じくらいどれを使うかが肝心です。本屋に行くと圧倒的な単語集の種類に圧倒するかもしれませんが、選ぶ際の基本的なポイントと、僕の目線から学習目的別にいくつかピックアップしたものをご紹介します。

[語学学習の基本]
・入門
 1. 外国語学習の心構
 2. 外国語学習の方法
・基礎
 1. 発音 I アメリカ英語編
 2. 発音 II イギリス英語編
 3. 語彙編
 4. 文法編
・展開
 1. 音読パッケージ編
 2. 瞬間英作文編
 3. 精読・多読編


I. 単語集選びの基本

本屋に行って単語帳を選ぼうとすると、大型書店だとほぼ本棚一段を占拠していて途方に暮れた経験のある方も多いと思います。

それぞれに特徴があり、TOEICTOEFLの試験対策向けのものあれば、網羅的に全てまとめられたもの、はたまた英語のレベル向けに別れたものまで。

特に初学者の方や英語の勉強が苦手な方は、選ぼうにも中身を見ても違いがはっきりとわからず、タイトルや謳い文句で決めてしまうことも多いかもしれません。

単語帳に関しては、それぞれ英語を勉強する目的も違うと思いますし、自分に合ったものを選ぶのが一番だと思います。僕も後ほど紹介させていただきますが、必ずしもそちらにする必要はありません。

必ず学習を始める前に立ち読みや図書館などで試し読みをしてみて、単語の種類やページの構成など自分との相性をよく考えて選んでください。

ただし、必ず以下のポイントを満たしているものを選んでください。

・CD付きやダウンロード可など、音声教材付きのもの
・必ず新出単語の例文やフレーズがあるもの
・発音記号がついているもの

① なぜ音声教材は必須なのか?

冒頭に述べたように、単語の学習はListening / Speaking / Reading / Writingの全てに関わり、また実践的に使えるようにするためには必ず音声教材が必要です。

覚える際に使わなくても、今後他の様々な学習を行う上で非常に良い教材になることも多いです。

② 例文やフレーズがは絶対必要?

日本語でも同じように、単語は単に単語だけで使うわけではありません。文章やある程度の単語の塊で使われます。

つまり、単語を覚える際に実際に使える文章と一緒に覚えてしまう方が、単語をイメージとしてより簡単に脳内にインプットできるのです。

③ 発音記号はなぜ必要?

発音記号は新出単語を勉強していく中で最初に音を掴むために必ず必要です。勘で進めて間違えた発音で覚えてしまったら、なかなか矯正には時間がかかります。

また強勢(強く発音する位置)もセンター試験や語学試験でも頻出のため、一度に覚えてしまいましょう。何も試験のためだけでなく、自然な英語の発音のためにも必須です。


II. 単語学習の進め方

一般的に、大学入試に必要な単語数は5,000語程度とされていますが、内容の差こそあれ語数だけで見るとネイティブスピーカーでは5歳程度のレベルとのことです。

大学留学やビジネスで使えるレベルには12,000語程度(それでも中学生レベル)、大学院では15,000〜20,000語程度、そしてプロの通訳に必要とされるネイティブの成人レベルは30,000語らしいです。気の遠くなるような量です。

しかし、あまり心配する必要はありません。ある程度、12,000語以上を超えてくると新しい単語が出てきてもさほど苦ではなくなります。

というより、その頃には会話や文章に出てくる単語の9割ほどは分かっている状態になるので、知らない単語が出てきても、言葉の塊の中でも目立ち始め、自然と語彙不足を拾えるようになるからです。

しかし、その12,000語程度に行くまではなかなかハードな道のりです。みなさんが基本学習で抑えていかなければならない単語数はその半分程度、5,000語になります。

ただやみくもに文字列だけを覚えていくのではとても追いつきません。そこで、ちょっとしたコツをお教えします。


① 単語を視覚的なイメージで捉えよう!

単語学習はとかく、一対一、もしくは手早く対応するいくつかの日本語訳を覚えることに終始しがちです。もちろん、基本はそのような手順になるのですが、もう一点、イメージとしても単語を捉えるようにしてください

例えば"cute"という単語。みなさんはパッと「かわいい」という対訳が出てくると思います。実際、Weblioでこの単語を調べてみると、かわいい以外にも「きれいな、利口な、抜け目ない」というちょっと予想もつかない意味もでてきます。

例えばここで、ちょっと小悪魔的な女の子のイメージと、訳語をもとに視覚イメージと単語を結びつけてしまうのです。単語帳の該当ページ、単語の横にでも、わかりやすく簡単なイラストを書いておきましょう。復習する時のも効果的です。

これは後々、ネイティブレベルのスピードで話す時に利いてきます。例えばAppleという簡単な単語ひとつにしても、Apple = りんご、と覚えるのではなく、Apple =  = りんご、とイメージを挟んで覚えましょう

最終的にApple =  の部分で意味がわかるようになり、よりスムーズな英語モードでの思考やレスポンスが可能となります。

りんご、は最早簡単すぎるので、もう少し難しい言葉に関してはGoogle画像検索を利用するのも一つの手です。

例えば、clairvoyantという単語があります。皆さん、意味ご存知ですか?(余談ですが、ちなみにフランス語の知識がある方は、簡単に推測できますね)

実際にイメージ検索で出てきた結果はこちらです。

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一発でお判りいただけると思いますが、何かスピリチュアルな匂いがしますよね笑。「透視の、千里眼の」という意味です。

イメージで覚える際の補助材料にしていただきたいのですが、ここで試しに日本語で「透視」や「千里眼」と入れてみてください。全く違うイメージが出てくるはずです。ちなみに私は千里眼でラーメンの画像しか出てきませんでした笑。

つまり、Google画像検索では、それぞれの文化の違いからくる言葉のイメージの違いも、まるごと見せてくれるのです。新しい単語を使って見る前に、google 画像検索にかけてみるのも面白いかもしれませんね。

また画像自体も日本で見かけ内容のものも多くインパクトが強いため、より一層記憶に残るのではないかと思います。ぜひこのGoogle画像検索併用術、試してください。


② 五感を総動員して体に馴染ませよう!

単語を覚えようにも、基本的には「ひたすら口に出す / ひたすら聴き込む / ひたすら書き込む」のパターンしかないですよね。

最終的には話したり書いたりと結局体を使うことになるわけですから、インプットする時点でそれしか方法がないのも事実です。

そこで、一つ追加で実践していただきたいことがあります。必ず一つの行為で二つ以上のアクションを重ねることです。インプットとアウトプットが同時に行うのです。

例えば、音読は、その行為自体が文字を読むこと、そして口に出すことを同時に行なっている行為と言えます。書いて覚える際も口に出してみてください。音声教材を聴きながら手を動かして書き、口にも出すというトリプルアタックも効果的です。

書く写す際も、紙にする必要はありません。スマホでもPCでもいいので、メモ帳やMicrosoftのWord、Googldeのドキュメント機能でもいいと思います。

スペルを思い描きながら、言葉のイメージと音のイメージをひとまとめにしていく。ボキャブラリーを増やしていくとは、そういう行為だと思ってください。


③ 必ず単語集は完璧に仕上げよう!

単語集は一度やりきって終わりではありません。何周も何周も繰り返し勉強し、一冊を完璧に仕上げることが一番重要です。何周もするというのは、果てしなくも思えると思いますが、二周目の際に案外するっと終わってしまうことを実感できると思います。

なぜなら、一周目の際にちゃんと山を乗り越えられた方は、使えるようになっている単語、少なくとも半分程度のものは目を通すくらいで問題からです。あとは徹底的に弱点を克服するのみだからです。

完璧にと言っても、単語集の中身を一字一句全て暗記せよ!というわけではありません。先に述べたように、イメージで単語を覚えているはずなので、単語を見た瞬間に意味内容のイメージがふと浮かび上がればそれでOKです。

例文もあるはずなので、パッと見た瞬間、また音声教材を聞いた瞬間に意味がわかれば問題ありません。少しでも違和感や引っかかりがある場合は、立ち止まり復習してください。単語が自然と体に馴染んでいる状態が重要です。

その状態になるまでやり込みましょう。

物覚えの良い方は3周もすれば充分かもしれません。暗記が苦手な方は10周は必要かもしれません。が、スピードは関係ありません。みなさんのペースで、目標に向かって英語を自由自在に操るイメージを常に頭に浮かべながら取り組んでみてください。


III. 日常会話中心に学びたい方へ

主に海外旅行の際に英語でつまづきたくない、または国内で外国人とコミュニケーションを取っていきたい!という方は、難しい専門用語やビジネス用語は特に不要かと思います。

単語学習の時点で、日常会話で必要なものに限定して勉強した方が効率的です。また、あまり必要のない単語に取り組んで挫折してしまっては本末転倒。

そこでぴったりだと思う教材はこちらです。

英単語・熟語ダイアローグ Basic 1200

英単語・熟語ダイアローグ Basic1200 三訂版

英単語・熟語ダイアローグ Basic1200 三訂版

 

 前項目でお話しした3点はもちろんクリアしています。日常会話形式の短いダイアローグで全課が構成されていて、実際に日常会話で使うフレーズも数多く掲載されています。

別項目でオフィスや家でよく使うものの単語もイラスト付きで紹介されています。なかなかこういう単語は他の体系的な単語集では網羅しづらいのも事実なので、日常会話に特化したい方には本当にオススメです。

英語も、アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア各地域の声優さんが参加しており、基本的なアクセントはこちらの一冊である程度慣れることができます。

文章量や速度もちょうどよく、また後ほど紹介するリピーティング・シャドーイング・ディクテーションの教材にもぴったり。

また、学んだことが即実践に使えるのもこの本のメリット。実際に英会話や外国の友人がいる方は学んだことを早速実践でトライしてみてください。単に海外ドラマで自分の知っている単語が増えるだけでも、勉強して身になっている実感が湧くはずです。

発展編のダイアローグ 1800も、もう少し踏み込んだ単語や熟語が満載です。コミュニケーションに特化されたい方はこの二冊を完璧にし、実際の会話で出てこなかった、あるいは知らなかった単語をリストアップしていくのがベストでしょう。

英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版

英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版

 

 

IV. 実践力のある英語を学びたい方へ

日常会話だけでなく、検定試験が控えている、あるいは留学やビジネスで高度な外国語能力の運用が必要という方はより踏み込んだ語彙力が必要で、より体系的にまとめられた単語集で網羅的に進める必要があります。

膨大な量の単語がレベル別に振り分けられたものを利用し、段階的に勉強していきましょう。

TOEICTOEFL・IELTSといった各試験に関しては、効率的にボキャブラリーを構築していくために、それぞれの試験の傾向に沿った対策本が必要になりますので、また別の機会にご紹介します。

しかし、各試験共に基礎力をつけなければ意味がないので、全く英語に自信がない方は下記の総合的なテキストから勉強してください。

それでは、実際のテキストの紹介に入ります。

単語集は、個々人の相性や好き嫌いもありますので、大まかに2種類ピックアップしてみました。実際に書店などで手に取り、頑張れそうなものを選んでください。


① 究極の英単語 シリーズ

究極の英単語 SVL Vol.1 初級の3000語

究極の英単語 SVL Vol.1 初級の3000語

 

 数々の英語参考書を出版してきたアルク出版を代表するこのシリーズ。全部でvol.4まであり、全部マスターすればTOEIC満点以上のレベルの単語をカバーすることができます。

アプリ版もあるので、通勤通学中に主に勉強されたい方は、こちらを選んでいただいて問題ないと思います。

実物を手に取り、掲載されている単語を眺めて見てください。9割以上自信を持って「これなら大丈夫だな」と思えるようでしたらvol.2から取り組んでもいいと思います。そうでない方はぜひここからスタートしてください。

基本学習中に関しては、vol. 2まで終わらせておけば問題ないと思います。それ以降は、個人のペースに合わせて積極的に、語彙力を増やしてください。


また、例文やフレーズだけでなく、リーディング対策でよりまとまった文章で勉強されたい方はこちらの「速読速聴・英単語 core 1900」をオススメします。

② 速読速聴・英単語シリーズ

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

 

 中身をご覧いただけるとわかると思うのですが、会話スタイルの例文から短いエッセイ形式の文章まで、様々なセンテンスに触れながら単語を勉強することができます。帯にある通り、一石五鳥の優れたシロモノです。

また、今後紹介する音読訓練などにも使えます。

こちら、日常表現に特化した初中級者向けのDaily、中級者用のCore、上級者用のAdvancedもあります。

こちらのシリーズも、基本学習中はBasic / Daily / Coreまでを完成させておきましょう。それ以降の語彙も、継続してまるっと覚えてしまいましょう。


V. まとめ

以上、語彙力習得学習のお話しをさせていただきました。

ぜひ実際に書店に行って、自分にぴったりだという一冊を見つけてください。

次回は基礎体力づくり最後の山、文法編です。

お楽しみに!

Kitsuné


 

[語学学習の基本]基礎・発音 II イギリス英語編

語学学習の基本シリーズ・基礎の発音 II、イギリス英語の巻です。皆さんはイギリス英語に馴染みはありますか?アメリカ英語に比べると耳慣れない方も多いと思いますが、PR(容認発音)と呼ばれるイギリスの標準発音は、意外と日本人にとって学習しやすいアクセントです。

またTOEICでもイギリス出身のネイティヴがスピーカーの設問もあり、アメリカ式の英語発音を習得されたい方でも、学んでおいて損はないはずです。

[語学学習の基本]
・入門
 1. 外国語学習の心構
 2. 外国語学習の方法
・基礎
 1. 発音 I アメリカ英語編
 2. 発音 II イギリス英語編
 3. 語彙編
 4. 文法編
・展開
 1. 音読パッケージ編
 2. 瞬間英作文編
 3. 精読・多読編


I. イギリス英語

日本の英語教育では依然としてアメリカ英語が主流です。アメリカのセレブのゴシップが日本のワイドショーでも報じられる他、アメリカのドラマも音楽も映画も、海外のポップカルチャーの中では群を抜いて人気で、みなさんにもっとも馴染みのある英語のアクセントなのではないのでしょうか。

また、イギリス英語も、ハリーポッターなどの映画や、ロック・テクノといった音楽面でも際立った活躍をみせるカルチャーのおかげで、みなさんも一度は耳にしたことがあるはず。

オーストラリア英語も大きい括りではイギリス英語の一種とも言えるため、留学やワーキングホリデーで渡豪された経験がある方も、なんとなく馴染みのあるアクセントだと思います。

パッとイメージの湧かない方は、イギリス出身のハリー杉山さんがアメリカ出身のSHELLYさんとイギリス英語 & アメリカ英語の違いについてラジオ番組でお話しされているので、よろしければご覧ください。

発音以外にも文化や言葉の違いについても言及していて、面白い内容になっています。





II. イギリス英語の発音

皆さんはイギリス英語にどんな印象を持っていますか?

有名なところでは、"r"の発音があります。例えば"car"は、アメリカでは最後の"r"の部分で舌を巻きますが、イギリスではほぼ日本語読みと同じで「カー」となります。

他には、"t"をはっきり発音するのもアメリカ英語との違いです。"water"はアメリカ英語では「ウォーラー」と、ラ行のように聞こえますが、イギリス英語では「ウォータ」。前述の"r"の件もあり、発音がかなり違います。

そのようなポイントがいくつかあるのですが、発音する、ということに限定して言えば、確かにイギリス英語は日本人にはアメリカ英語よりも発音しやすいです。

一般的に日本人に難しいとされる"r"の発音も使用される機会が極端に少ないです。個人的には、LとRの発音よりも、wantとwon'tの方のが難しいとは思うのですが...

そんな訳で、イギリス英語の発音をマスターしたいのであればこのテキスト。

イギリス英語でしゃべりたい! UK発音パーフェクトガイド (CD付) (CD BOOK)

イギリス英語でしゃべりたい! UK発音パーフェクトガイド (CD付) (CD BOOK)

 


一つ一つの発音記号の解説や音声はもちろんのこと、リズムからイントネーションの基本まで、一冊でイギリス英語の音声的な基礎を押さえることができます。また、アメリカ英語との比較もあり、総合的に勉強することも可能です。 

特に難しい内容ではないので、一つ一つの音を自分でも口に出しながら体で覚えてしまいましょう。時にはスマートフォンなどで自分の声を録音し、きちんと発音できているかもチェックしてみましょう。

ただし、イギリス英語を学ぶ上で一つ注意しなければいけないことがあります。それは、基本的に「イギリス英語」とされているPR(容認発音)を話しているのは、イギリス人口全体の3%ほどしかいないということです。

地域や階級によってアクセントは千差万別なのです。

実際にイギリスに行ってみると、出身によっては何を行っているのかわからないくらいのアクセントをお持ちの方がたくさんいます。PRでも、特に女性は話すのが早い方が多く、思いがけず自信を無くしてしまうこともしばしば。

しかし、このグローバルの時代、イギリスの地方のアクセントのみならず、インド系・中国系・ロシア系など様々なアクセントに遭遇するのは日常茶飯事。

アメリカ一つとっても、ヒスパニック系やアフリカ系コミュニティでは独自のアクセントやイントネーションを持つ人がたくさんいます。

しばしばコメディ番組のネタにもなっていますし、異文化を楽しむ、くらいの気負いで楽しんで接していきましょう。

また、BBCなどでのメディアではこのPRを標準語として設定しているほか、発音自体も綺麗と見なされることも多く、教養ある社会人と見なしてくれることも多いです。決して学んで損な訳ではありません。


II. イギリス英語のイントネーション
 
こちらの動画はイギリス出身の女性(左)とアメリカ出身の女性(右)が、それぞれの国によって同じ単語でも発音がどのくらい違うか、という話をしている動画です。英語のみですが、よろしければ冒頭のみでも視聴してみてください。



単語一つでもかなり響きが違うことがお分りいただけると思います。そしてそれ以上に、イントネーションがかなり異なることもお気づきいただけましたでしょうか?

個人的なイメージとしてはアメリカ英語は「ペラペラペラペラ」と、途切れるとこなく、緩やかな抑揚で波を打っているように、曲線的な音に聞こえます。

一方のイギリス英語の方が、どちらかというと「ツーーートコ、ツーーータカトコタカトコ」と、平坦なところもあれば急上昇・急下降がある、直線的な音の流れに聞こえます。

イギリスの映画やドラマ、ニュース番組をみていてもなんとなくイントネーションを掴めると思いますが、体系的に学びたい方は最初に紹介した本の姉妹書であるこちらをオススメします。

もっとイギリス英語でしゃべりたい!  UKイントネーション・パーフェクトガイド(CD BOOK) (CD BOOK)

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  • 作者: 小川直樹,ナディア・マケックニー
  • 出版社/メーカー: 研究社
  • 発売日: 2015/06/19
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先ほど述べたイギリスのイントネーションをパターン化し、より自然でネイティヴに近い抑揚が話せるようにまとめられた良著です。

イギリス式の発音に特化した本は数多くありますが、この本のようにリズムとイントネーションに焦点を当てた本はなかなかありません。

イギリスのネイティブが使う日常表現も使用されており、タイトル通り、もう一歩踏み込んだイギリス英語を習得されたい方には特にオススメです。

また、ある程度英語がわかる方には、BBCが無料で提供している英語学習プログラム、「BBC Learning English」内の発音学習ページでも学ぶことが可能です。


いかにもイギリス!といったユーモア感覚で、イギリス英語の音に関して映像で学習できます。リスニングが苦手な方でも、スクリプト(原稿)が全て記載されていますので、リスニングの勉強にもなります。

BBC Learning Englishは他にも、6 Minutes Englishなどとても良質なコンテンツをたくさん提供しています。登録はもちろん利用も無料ですので、イギリス英語がお好きな方はぜひこの機会に登録してみてください!


III. まとめ

以上、発音 I イギリス英語編でした。みなさんのイギリス英語のイメージ、少しは変わったでしょうか?

アメリカ英語に聞き慣れていると「聞き取りづらい」と思いがちなイギリス英語ですが、ツボをきっちり押さえて慣れてしまえば問題ありません。

次回は語彙 I 単語集編です。お楽しみに!

Kitsuné


[語学学習の基本]基礎・発音 I アメリカ英語編

今回より、実際の学習に入っていきます。まずは発音 I・アメリカ英語編。

アメリカ英語は「これぞ英語!」というほど、日本で浸透おり、学校教育でもアメリカ英語が主流となっています。ですので、発音編ではアメリカ英語をベースとして学習の基本をお話ししたいと思います。

共通する部分も多いですので、次項でお話しするイギリス英語を習得されたい方も必ず目を通すようにしてください。

また、今やTOEICなど、あらゆる語学試験でも様々なアクセントが使用されていますので、これを機会に二大アクセントであるアメリカ英語とイギリス英語は、両方一通り勉強することをオススメします。


[語学学習の基本]
・入門
 1. 外国語学習の心構
 2. 外国語学習の方法
・基礎
 1. 発音 I アメリカ英語編
 2. 発音 II イギリス英語編
 3. 語彙編
 4.
文法編
・展開
 1. 音読パッケージ編
 2. 瞬間英作文編
 3. 精読・多読編


I. 発音記号を覚えよう

発音学習の基礎となるのは「発音記号」です。

発音記号はご存知ですか?辞書を引くと必ず英単語の隣に書かれている文字列のことです。例えばこちら。

knife | naɪf |

意味ご存知の方も多いと思いますが、ナイフの英単語です。発音記号は斜体字の部分に相当します。

フランス語やドイツ語などは基本的に発音と綴りのルールが固定化されていますので、ルールさえ押さえておけば発音記号がなくてもほとんどの単語の発音ができてしまいますが、困ったことに英語ではそうはいきません。

例えば、この単語をそのままローマ字読みした場合には「クニフェ」となり、全く異なる音声になってしまいます。英語の特徴の一つとして、綴りと音声が一致しないことが多く、またアクセント(その単語で一番強く発音する部分)もその都度覚えなくてはなりません。

発音記号に限って言えば、アメリカとイギリスで違いはありません。それぞれに特徴的な母音や子音というのは有馬セスが、基本的にこの発音記号一つで全て表すことができます。

今後、初めて知る単語でも、発音記号さえ分かっていれば発音も辞書を引いた段階でわかります。基本にして重要な記号というわけです。

基本的にアルファベットが元になっているので発音記号自体は難しくありません。種類も多くないので30分でもすぐに把握できる量です。初歩の段階でまとめて覚えてしまいましょう。

ただし、実際にどのような音なのかを聞いて、音のイメージと抱き合わせで覚えるようにしてください。

耳の良い方は、単語集などに付属しているCDなどの音声データを利用して自然と覚えてしまうのも一つです。しかし、のちに英語の勉強を続けていく際には、辞書を引いた段階で発音記号のみで読み方をある程度推定できる方が効率的です。

忙しい方は、こちらの無料アプリで隙間時間でちょこちょこ覚えていくのもアリだと思います。

英語発音速成攻略

英語発音速成攻略

  • Otek International Inc.
  • 教育
  • 無料


発音記号一つ一つを学べるだけでなく、わからなくなった時の参照としても使えます。発音クイズや解説もわかりやすいので、とりあえずダウンロードしておくのもいいと思います。


また、英語が多少わかりイギリス英語に集中して勉強されたい方は、イギリスの公式機関であるブリティッシュカウンシルのアプリがおすすめです。こちらも無料。

LearnEnglish Sounds Right

LearnEnglish Sounds Right

 
WEBサイトでも音声付きでまとめられたものがあります。こちらのページなど、いかがでしょうか?クイズ機能はありませんが、スマートフォンをお持ちでない方、もしくはあまりアプリを増やしたくない方には最適です。



II. イントネーション学習も忘れずに

発音の勉強をする際に、見落としがちなのがイントネーションの学習です。いくら単語単位での発音が良くても、文章のイントネーション(抑揚)全体で不自然な響きであれば、聞き手も理解しにくいものです。

日本語で「どうして?」と言う際も抑揚や上げ調子下げ調子、で随分と印象が変わります。英語でも同じです。特に英語力がある程度ついてきて実際に会話をする際には、一つのコミュニケーションスキルとして非常に重要になってきます。

前述の通り、日本の英語教育はアメリカ英語がベースとなっているので、取り立てて発音学習に関してアメリカ英語に特化した教材は少ないのですが、アメリカ英語の自然な抑揚を身につけたい方は、以下の本をオススメします。

アメリカ口語教本・入門用(最新改訂版)

アメリカ口語教本・入門用(最新改訂版)

 

 

こちらのシリーズ、今回紹介するのは入門用ですが、初級・中級・上級と、初学者から英検一級程度まで網羅できる構成となっており、アメリカ英語に特化されたい方にはとてもオススメです。

入門編では特に基本的な日常会話からスタートしているので、スピーキングの練習にもなりますし、後ほど紹介する音読パッケージの教材にもうってつけです。

もちろん肝心のイントネーションのセクションもある程度ページが割かれており、必要最低限抑えることができます。

それから、この教材の一つの難点は、音声データの速度が比較的遅めだということです。練習される際は、後述のNHKの語学プレイヤーアプリなどを利用して、少し早めの速度を基準に進めた方がいいと思います。



III. 効果的な音声学習をするために


単に発音記号一つ一つの音声を確認するのであれば、発音記号を解説しているWebサイトや参考書付属のCDをそのまま聞くだけでも良いかと思います。

しかし、イントネーションや、今後展開編でご紹介するリピーティング・シャドーイング・ディクテーションといった練習となると、そうもいきません。

音声教材のスピート自体が早すぎて挫折しそうになることもあるでしょう。また自分の発音がちゃんとできているか、録音して確認することも必要です。

そこで僕は、基本的にスマートフォンを利用した語学学習を推奨しています。音声データを持ち運びできるし、録音機能もデフォルトでついています。単語集やTOEIC対策のアプリも豊富で、ポッドキャストYouTubeなど生の英語へのアクセスも簡単!

おすすめアプリに関しては後ほどまとめてご紹介しますが、まずこれだけは先に入れておきましょう。

語学プレーヤー〈NHK出版〉

語学プレーヤー〈NHK出版〉

  • NHK Publishing,Inc.
  • 教育
  • 無料


数多くの語学番組を持つNHKによる無料の音声プレイヤー。アプリ内部での課金もありますが、NHK公式の教材ダウンロードに対してなのでプレイヤー自体の機能は問題なく全て利用可能です。NHK公式の音声データのみではなく、一般CD教材の音声データも使用できるようになっています。

具体的に何が便利なのでしょうか?それはズバリ、再生速度を0.5〜3倍にまで変更できる点、そして秒単位での巻き戻し・早送り機能がある点です。

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NHK語学プレイヤーアプリの実際の画面


初級者向けの音声データは吹き込みの速度もわかりやすく遅めに設定されていることがあります。実際のネイティブスピーカーの速度と比べるとかなり遅いと言っていいでしょう。

その一方、中級者以上のものとなるとほぼネイティブスピーカーの速度と同じものが一般的です。今までのゆっくりした速度に慣れていた方はびっくりされるかと思います。

そこで使用していただきたいのが再生速度の変更。自分のレベルに合った速度に変更できますので、どうしても聞き取れない部分は速度を下げ、自信のある部分は速度を上げて耳を徹底的に慣らしましょう。

また、ネイティブスピードの教材は、速度を下げて一つ一つの単語を理解するのもいいのですが、ぜひ一度わからなくても速度を上げて聞いてみてください。そのあと元の速度で聞き返してみると、同じスピードなのに最初よりもゆっくり聞こえるはずです。

また、便利な秒単位での巻き戻し機能もあり、聞き取れなかった部分を集中的になんども聞きなおすこともできます。NHK語学プレイヤーはみなさんの語学学習の力強い相棒になること間違いなし!

また、独習者にとって最大の難点と言えるのが、特に「発話する」という点において、客観的に自分の実力のわかる実践の場がないということです。

そんな時は是非、SiriやOK Googleを利用してみてください。現代文明万歳!

SiriやOK Googleには、ご存知の方も多い通り音声認識機能があります。しかも優れたことに、英語一つでもイギリス・アメリカ・オーストラリアといくつものアクセントに対応し、最近は精度もとても高くなっています。

音声認識を英語に設定し、「Good morning」や「What are you doing?」など、自分の知っている文章や、新しく学習した単語がちゃんと認識されるかどうか試してみてください。

認識がうまくいかない単語というのは、あなたの弱点が反映されています。一通り発音学習を終えたら、今度は徹底的に弱点克服のため、その発音に特化しましょう。AIと言えども(だからこそ?)、立派に公正なジャッジメントを送ってくれます。

少し慣れてきたら、そのままSiriと会話してみるのもいいかもしれないですね。英会話してみたいけどまだ自信がない... という方にはうってつけの練習相手になってくれます。


IV. まとめ

以上、英語の発音を学習する上でのポイントをまとめました。

① 発音記号をマスターしよう
② イントネーションもしっかり習得しよう
スマートフォンを有効活用しよう

さて、次回は発音・イギリス英語編です。みなさんはイギリス英語に対してどのようなイメージをお持ちですか?お楽しみに!

Kitsuné

 

[語学学習の基本]入門・外国語学習の方法

[語学学習の基本]第二回、「外国語学習の方法」です。

語学学習って何から始めればいいの?どうやって勉強していけばいいの?

全くの初学者から、過去に挫折したもののもう一度挑戦したいという方まで、様々だと思いますが基本は一緒。いかに土台固め - 基礎をマスターしておくか、ということです。

今回はその基礎となる発音・語彙・文法をどのように進めるか、どのようなスケジュール設定がいいのか、また上達するための意識の持ち方を説明させていただきます。

[語学学習の基本]
・入門

 1. 外国語学習の心構
 2. 外国語学習の方法
・基礎
 1. 発音 I アメリカ編
 2. 発音 II イギリス英語編
 3. 語彙編
 4.
文法編
・展開
 1. 音読パッケージ編
 2. 瞬間英作文編
 3. 精読・多読編


I. 基礎の発音・語彙・文法は短期集中!

さて、語学学習のベースとなるのが発音・語彙・文法の三本柱です。

ここで外国語の習得を料理に例えてみようと思います。発音は火や調理器具の使い方、語彙は食材、文法はレシピと言えるでしょう。

包丁や火の使い方はある程度の基本さえ押さえておけば、プロ並みのさばきとはいかなくても、日頃の自炊には問題なく使えるようにはなるはずです。

しかし、技を磨き、均一な厚さに切りそろえ火の通しも計算することで見た目も良く口当たりのいい仕上がりになるでしょう。

発音も一緒で、最低限伝わるレベルまで到達すれば、単に意思疎通を取るという点では何の問題もありません。ただ、磨き上げることで耳障りもよく、単にカッコいいと自分の自信にも繋がります。

具材にあたる語彙も、増えれば増えるほど表現(料理)のレパートリーが増えていきます。レシピ(文法)も基本をしっかりと押さえていくことで炒め物から蒸す・揚げるなど調理方法の幅が広がり、バラエティ豊かな料理が食卓に並ぶことができるのです。

この土台固め、短期集中でマスターするのが一番です。毎日繰り返し勉強し続けることで基本事項が確実に定着していきます。難しい文法書や膨大な単語量を一気に仕上げる必要はありません。

後ほど文法編や語彙編でご紹介する初級者向けの教材を一通り全て一気にやりきってしまいましょう。それ以後の中級文法や発展的な語彙学習は、基本学習を終えた時点で、引き続き継続していくことになりますが、そちらはまた別の機会にご紹介します。

基本学習の全行程から俯瞰してみると、この部分は準備運動やストレッチにすぎませんが、どんなアスリートでも決して省くことのない極めて重要な部分です。

ただし、一年もストレッチの研究にかけていては肝心の実践の練習にいつまでたってもとりかかることができません。必要最低限をマスターし、残りは必要に応じて補っていく、という意識を持ちましょう。

一冊につき1ヶ月、最低でも二周は勉強して、テキストの内容を完全に理解し覚えてしまってください。

決して難しい内容ではありません。中学校〜高校1年程度で学ぶ内容を覚えるだけです。復習がてら、忘れかけていた「勉強をする習慣」を取り戻すくらいの軽い気持ちで着手していただいて構いません。


II. 徹底したスケジュール管理を!

どんな学習にも言えることなのですが、勉強法そのものと合わせて非常に重要なのが、どのようなスケジュールで進めていくか、スケジュールそのものをどう管理していくか、ということです。

まずは大前提として、必ず毎日英語に触れる、ということです

作ったことのない料理を、最初からレシピなしで作るのは至難のわざです。しかし、毎日同じものを作り続ければ、すぐに具材や調味料の量、調理方法は体が覚えていちいちレシピを見なくても作れるようになります。

また、体が覚えてしまえば他の味もなんとなく想像がつくようになり、自分なりのアレンジを加えてオリジナルのレシピを作り上げられるようになります。全く同じことが語学学習に当てはまり、基本フレーズを完全に使いこなせるようになった上で初めて、更に自由なアドリブを繰り出せることができるのです。

勉強法に関しては、実はどのようなものであっても、効率的かどうかはさておき、最終的にきちんとやり込めばある程度の語学力はつきます。

ところが、スケジュール設定に関してはもっと根幹に関わっていて、結局毎日できない人は途中で挫折するか、中途半端なままの語学力に収まってしまうことがほとんどです。

発音・語彙・文法を学ぶ際に一ヶ月で、と期間を設定したのも、効率的なサイクルであるのはもちろんですが、今後の学習スケジュールを習慣化し確立していく中でも最適な期間であると考えるからです。

① スケジュール設定について

それでは具体的にどのようなスケジュールが理想でしょうか?

人それぞれライフスタイルも異なり、最終的にはみなさんの生活の中でベストなものを自分で作り上げていく必要がありますが、ある程度の目安は存在します。

まずは、基礎中の基礎である発音・語彙・文法の学習の際の1ヶ月で、スケジュール調整も含めて考えてみましょう。

基本1ヶ月を目安に、週単位で計画を立てていくことがベストかと思います。ほとんどの初学者向け参考書は1ヶ月でちょうど1周(ある程度知識のある方や、より集中して勉強可能な方は2周)できる量になっています。

自分で進捗状況を確認するにも適したボリューム感だと思います。

まずは取り組むと決めたテキストを4週間に分割していきましょう。そして重要なのが、7日間のうち、1〜2日は必ず復習に特化する日を作り、一週間分の項目を振り返ってください。

勉強で大切なのは復習と反復です。忘れてしまっていた単語、間違えてしまっていた練習問題などは、自分の弱点が反映されている部分です。苦手な部分をしっかりと認識して、克服していく意識を持ってください。そしてそのためには反復するしかないと割り切ってください。

復習に関しては、その都度行わず、テキストを2周、3周する際に見直せばいい、という考えやその方が向いている方もいると思います。その場合にはそのように進めてもらっても構いません。

ただし、今まで勉強する習慣のなかった方や英語に苦手意識のある方は一週間ごとに復習の日を入れる方がオススメです。

急がば回れ。急がず焦らず、ゆっくりと確実に基本事項を抑えていきましょう。

② スケジュール管理について

最初に設定したスケジュールというのは、あくまでも目安です。今まで習慣のなかったものを継続していくのはなかなか大変なものです。一日の目標学習時間や達成目標などは、自分の他のスケジュールと合わせて臨機応変に変更していきましょう

ただし、必ず最終的な終わらせる期日もリスケジュールを行い、常に一つのプロジェクトを必ず終わらせる、という意識だけは持つようにしてください

そして、自分に合った学習スケジュールを確立させていくことが何よりも大事であるということを忘れないでください。

欲を言えば、最初の一ヶ月は基礎体力に集中していただき、一日一時間程度は勉強に時間を割いていただきたいのですが、どうしても厳しいという方は30分でも10分でもいいです。毎日無理せずコツコツと継続させていくことをベースにしてください

時には休息も必要です。気分転換に場所を変えたり、今日は勉強ではないけど海外ドラマを見てみよう、というのも大いにアリです。また、一日くらいだったら英語から離れて思いっきりのびのびと過ごすのも大事だと思います。

ストレスとうまく付き合いながら、楽しく勉強を続けていくのが何よりのコツです。

また、スキマ時間を有効活用するのもスケジュール管理に関して重要なポイントのひとつです。

通勤・通学中やお昼休みなど、時間を見つけて音声教材やラジオを聞いて見たり、語学学習アプリに触れてみたり、本を読んだりなどしてください。ブログでもオススメの教材は適宜紹介していきます。

本当にちょっとした筋トレ感覚です。毎日コツコツと積み重ねたものこそが語学力となって発揮されるのです。


III. 語学検定にチャレンジしてみよう!

何度もお話していることではありますが、基本的に独学というのは孤独な戦いです。ある程度語学力が身についたかも、と思うことがある一方で、客観的なモノサシというのはなかな自分一人では測ることができません。

そこで、語学検定を受験して、自分が実際にどのレベルにまで達したか、という指標を定期的に手に入れましょう。

英語に関しては、TOEICが一番おすすめです。結果が合格不合格ではなくスコアとして現れ、またテスト自体も英語学習者が抑えておくべき「基本」が網羅されているからです

同じスコア形式のテストにTOEFLやIELTSなどもありますが、こちらはスピーキングやライティングも入っています。

また内容も大学での勉強や現地で働くことを念頭においたより実践力が試される内容であり、単に基礎体力が身についているか、という指標としてはあまり効果がありません。

注意したいのが、TOEICのスコア自体を目標にするのは良くありませんし、満点を目指す必要もありません。あくまで、自分がどのレベルにいるか、ということを示す数値でしかないからです。

語学学習の基本編をみっちり勉強すれば、特に対策を講じなくても、800点以上は取れる内容ですし、900点以上となると語学そのものの実力ではなく試験のテクニック的な要素も入ってきます。

基本学習の中頃、もしくは一通り終わった時に自分の頑張りが可視化されるということを目的に、受験してみて下さい。

TOEFLやIELTSなどのより目的が特化したものはそれぞれに対策を行うべきですし、必ずしも英語学習をしている人が全員受けなければならないものでもありません。

資格マニアや語学試験そのものがモチベーションに繋がる方は、基本学習が終わってから英会話や英作文などの実践を重ねた上で、英検などの他の語学検定にも挑戦するのは非常に有意義なことです。是非挑戦してみて下さい。


IV. まとめ

以上、学習方法についてお話しさせていただきました。今回で入門編はおしまい。次回、基礎編より、いよいよ発音・単語・文法という三大基礎工事に着手していきます。

① 発音・語彙・文法は短期集中でマスター!
② 自分に合ったスケジュール設定を見つけよう!
③ 毎日英語触れるようスケジュールを管理しよう!
④ 語学検定試験を受けて自分の実力を数値化しよう!

Kitsuné





 

[語学学習の基本]入門・外国語学習の心構

今回から数回にわたり、[語学学習の基本]と題して具体的な勉強法についてお話しします。

記念すべき第一回は「心構」。具体的な勉強法の説明に入る前に、外国語を学ぶ際にどのような意識や姿勢で望めばいいのか、ということをお話します。


[語学学習の基本]
・入門
 1. 外国語学習の心構
 2. 外国語学習の方法
・基礎
 1. 発音 I アメリカ英語編
 2. 発音 II イギリス英語編
 3. 語彙編
 4. 文法編
・展開
 1. 音読パッケージ編
 2. 瞬間英作文編
 3. 精読・多読編


I. 私の経験談

皆さんは、「英語が話せる」には、どのような勉強をすればいいと思いますか?

まずは右も左もわからないから、とりあえず駅前留学か海外の語学学校に行って勉強しよう、と思う方も多いと思います。果たして効果的でしょうか?

私は英語圏には留学したことはありません。

大学の頃、フランス語圏とドイツ語圏に留学しましたが、その頃英語に関しては大学受験合格程度のレベルで、大学でも英語の授業をとっていなかったため、下手すればドイツ語やフランス語の方が通じる、というお粗末なものでした。

帰国後、就職活動するにあたって、国際的なフィールドで活躍したかったため、改めて逃げがちであった英語の勉強に着手しました。

留学でお金も底をついたので、もっぱらの独習でした。高校レベルの文法事項や語彙を見直し、その後実践的なコミュニケーションなスキルのために鍛錬を重ねていきました。

教材選びやトレーニング方法など紆余曲折ありましたが、1年ほどするとTOEICTOEFLなどのスコアもあがり、基本的な4技能(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)は卒なくこなせるようになりました。

そんな折、大学内で英語圏に留学経験のある同級生数人と仲良くなり、色々と話が進む中で気づいたことがあったのです。

「この子たち、一年も英語圏に留学に行っていて大学でも英語をメインに勉強していたはずなのに、自分より英語できてない...」

彼らは明るくノリもよかったので留学生からも好かれているようでしたし、普段の会話は何なくこなしているようでしたので、ハタから聞いている分には一般的には「英語が話せる」子だったと思います。

しかし、ちょっと難しい内容になると相槌を打つばかりで自分の意見はあまり言わず、ジョークなどもさほど理解していないようで、周りに合わせて笑っている様子が伺えました。


II. 語学留学か、国内独習か?


なんだか陰口みたいになってしまいましたが(笑)、その友人たちとは今も仲はいいですし、自分の勉強法を教えてあげたことでみるみる力をつけていき、今では難なく英語を使用してバリバリ仕事をしています。

ただ、その時に感じたことは、「語学留学や英会話学校に通っても、英語が話せるようになるわけではないんだな」ということでした。

実際に、その後何人もいわゆる「語学留学」に出かけた子で、目を見張るような語学力を持ち合わせる子に会ったことがありません。

大抵、身の回りのことを自分でなんとかする「サバイバル」する程度の語学力が身についている子、というのがほとんです。

下手したら、本当に最低限のスキルの子だっています。

もちろん、語学留学や英会話に行くこと自体は悪いことではありません。むしろ、ネイティブスピーカーがひしめく環境に赴くのは語学力を向上するには格好の練習場です。

しかし、ネイティブスピーカーとのコミュニケーションは、言って試合本番です。十分なトレーニングや基礎体力がなければ、得るものも得られず惨敗して「思い出づくり」の経験になってしまします。

国語学習に必要なのは、自分自身で勉強していくこと、そして正しい勉強法を見つけることです。環境でなんとかなるものではなく、また一朝一夕のメソッドもありません。

その子たちが何十万も語学学習にお金を費やす間に、僕は一冊2,000円もしない本を数冊やり込んだだけした。

YouTubeを利用したり、レンタルビデオ屋で海外ドラマや映画もたくさん借り、音楽も様々なものを聴きました。今ではNetflixSpotifyもありますから、もっと安価ですね。


同じお金を使うのであれば、正規の留学で、何かを学びに、働きになど、習得した言語を活かす使い方をした方がいいです。


III. どうのように学習を進めればよいのか

言語学習は一朝一夕とはいきません。特に、最初の基礎段階は基本的にインプット学習になるので、なおのこと、机の上での孤独な戦いになります。

しかし、それは何も語学だけの話ではありません。ピアノも、基礎の技術がなければ大曲に挑むことはできません。野球も素振りから。ダイエットも毎日の積み重ね。


① まずは、目標と目的を設定してみよう

やみくもに外国語を習得したい!と思ってもなかなか上達しません。具体的にどんなスキルを習得したいのか、自分に必要なスキルは何か、とあらかじめリストアップしておくのは、学習を始めるの前に
大事な作業です。

海外旅行の時に困らない程度習得できればいいのかもしれません。仕事で必要な方もいるでしょう。洋書が読めるようになりたい、外国人と結婚したいと思っている人や、漠然と海外移住したいと考えている人もいるかもしれません。

なんでもいいです。なるべく具体的に考えてみましょう。本当に実現させたいことを目的として設定してみてください。そのために必要なスキルも、合わせてイメージしてください。それを当面の目標にしてください。今後の学習の大事なモチベーションになります。

もちろん、学習を続けていく上でその目標を修正していくのは問題ありません。自分が思っていた以上に習得のスピードが早く、これならもっと上を目指せるかも!ということはよくあることです。

その頃には、勉強する習慣や方法も身につき、そのスキルに向かって必要なことは何かということがより具体的なビジョンとして見えてくるはずです。


② 語学学習の基礎体力と習慣づくりを徹底しよう

このブログでは、極めてベーシックな正攻法をご紹介していく予定です。

特に本シリーズの「語学学習の基本」では、どの言語にも対応できる基礎体力の学習法を、英語を例としてパッケージ化したメソッドをお話ししていく予定です。(その他の言語に関しては、別の記事で作成したいと思っています)

基本学習のフローとしては、①基礎学習(発音・語彙・文法・構文)、②展開学習(リピーティング・シャドーイング・ディクテーション)です。その後、実践編の展開学習として、様々な学習法をご紹介していきます。

皆さんの聞き覚えのあるフレーズが並んでいるのではないでしょうか。それもそのはず、語学学習に近道や裏技はありません。正面から取り掛かるしかないのです。

語学が苦手だと感じている方は、おそらく、基礎体力づくりと言える基本学習部分で正しい勉強法で学習してこなかった、もしくはそれ以後、自分にあった発展学習を見つけられなかった、のどちらかに該当すると思います。

基本学習はいわば筋トレです。どの競技にも必要だけれど、普段目に見えない影の部分。しかし、決められたルーティンに従えば、必ず成果の上がる部分でもあります。準備体操だと思い、皆さん取り組んでください。

個人差もありますが、3ヶ月から半年くらいで一通りの基本学習は終わります。

長く感じるかもしれませんが、語学学校などのカリキュラムでは基本文法を一年で終わらせるところも多いです。

それに比べたら自分に合ったペースでより効率的で終わらせられお金もかからないので経済的!身についた語学力で、ご褒美に海外旅行に出かけた方が有意義ではないでしょうか。


③ インプットとアウトプットをバランスよく

基本学習では、基本的に基礎知識をインプットしていく作業になります。文法・語彙を徹底的に自分の身体に染み込ませ、骨や肉にさせていくストイックな作業でもあります。

しかし、外国語のスキルというのは理解するだけではなく、伝えること、つまりアウトプットも欠かせないもう片足の部分です。

学習初期段階から、英作文や英会話も取り組むように、とは言いません。むしろできないはずです。泳ぎ方も知らないうちに大海原に投げ出されても、途方にくれてしまうだけです。

アウトプットというのは、単に自分の考えてることを伝えるだけではありません。実際に口を動かし、手を動かすだけ、つまり真似事でいいのです。

実際に基本学習のルーティンに含まれていることなのですが、音読をし、暗唱をし、書き出し、自分の口や耳や手にも、徹底的に自分の身体に英語を慣れさせてください

特に、五感を総動員させることを意識させてください。音読するときは文章を見ながら読んでいるはずです。暗唱するときも、自分の音に注意深く耳を傾けてください。描いてみる場合も、口を動かして一緒に音に出して見てください。

こんな些細なことでも、積み重なれば圧倒的な力となって語学力が向上するのです。

また、効率的に作業を進めることも意識してみてください。例えば、覚えると決めた文章を書いて暗記する場合にも、ノートに書く必要はありません。

WORDやGoogle Documentを利用すれば、無駄な紙もインクも必要ありませんし、タイピングが得意な方はもっと早く練習できます。タイピングの練習にすらなるはずです。



IV. 日本語に引きずられないように

よく日本の友人に、「これって英語でなんて言うの?」と聞かれることがあるのですが、基本的に翻訳しづらいものが非常に多いです。

有名な話ですが、「お疲れ様です」「ご苦労様です」といった基本的な挨拶表現は、英語圏には存在しません。

無理やり訳せないこともないのですが、日本と同じ文脈・状況で使おうと思うと違和感が生じることが多いのです。仕事終わりの場合は大抵、「See you!(またね)」など他の挨拶が用いられることがほとんどです。

日本語と英語含む外国語は全く違う言語です。一対一で覚えることは不可能です。

日本固有の調味料や食材だけでは、外国の料理を再現できません。現地の素材を味見したり調理法を勉強する必要があるのです。

日常会話に困らない、仕事でもバリバリ使える英語を、とお考えの方は、最終的にインプットもアウトプットも全て「英語」で行う必要があります。

日本語をいちいち英語に組み直して、逆も、ということではスピードが追いつきません。

しかし、ご安心ください。これも訓練でなんとかなります。基本学習の構成自体が、そのような組み立てになっています。

まずは、語学学習にとりかかる前に、「そういうもんなんだな」という意識だけは頭の片隅に置いてみてください。


V. 楽しく勉強する準備を

何はともあれ、「好きこそ物の上手なれ」。好きでなくとも、楽しくなければ勉強自体が続きません。

時には息抜きも大事です。そこにそっと英語をプラスしてみてください。

音楽が好きな方はこれを機に海外のアーティストの音楽を探してみてはいかがでしょうか。カラオケで洋楽縛りにチャレンジするのもいいかもしれません。

映画や海外ドラマが好きな方は、一日一本、何かのタイトルを見てみましょう。耳慣らしにも最適です。

本が好きな方は対訳ものや平易な語彙で書かれたものに挑戦したり、プロレスが好きな方はアメリカの試合の視聴をしてみてもいいでしょう。

海外の専門誌や雑誌、Webマガジンに軽く目を通して見るのでも構いません。きっと世界が広がります。

好きなものがあるというのは大きな強みです。前の項目で立てた目標・目的以外にも、この「自分の好きなもの」が軸となって語学学習の手助けとなることは大いにあります。



VI. 多言語習得のための英語学習

本シリーズ「語学学習の基本」は、英語学習を想定して進めていきますが、基本的にはどの言語にも応用できるベーシックかつマストな勉強法です。

本ブログでは、最終的に多言語学習メソッドや情報の共有を考えており、このページを読まれている方にも、英語以外の情報を!という方もいることでしょう。

すでに英語は大丈夫、という方も、ぜひ読み進めてください。

僕も改めて人に伝えるということを前提に色々と参考書を見直したり、勉強法をまとめたりする中で、改めて他の言語の学習に取り入れられていないな、と気づく点も多かったです。

必ず他の言語の学習にも効果的な勉強法が見つかるはずです。

また、英語は苦手だけどとりあえず他の言語を、と考えている方も、ぜひこの機会に僕の紹介する勉強法で英語にトライしてみてください。特にヨーロッパの言語は、英語を知っているか知らないかで学習効率が大きく変わってきます。

中国語や韓国語といった英語と別の枠組みの言語でも、基本的な学習の進め方に相違はありません。一度言語そのものの学習に慣れるという意味でも、こちらの英語学習メソッドで勉強されることをオススメします。


VII. まとめ

今回は主に、実際に学習に入る前段階の目標設定や、学習する際の姿勢や意識についてお話しさせていただきました。

① 語学学習は日々の積み重ね。独習が基本!
② 具体的な目標と、最終的な到達目標を設定しよう!
③ 初期段階では、基礎体力と習慣づくりを徹底しよう!
④ インプットとアウトプットをバランスよく学習しよう!
⑤ 外国語と日本語は必ずしも一対一ではないという意識を持とう!
⑥ 楽しく勉強するための息抜きを用意しておこう!

次回はより具体的に学習の進め方や方法についてお話しさせていただきたいと思います。

Kitsuné

ご挨拶

こんにちは、はじめまして。

今日からこちらのブログを開設するkitsunéと申します。

最初の記事なので、まずは簡単に自己紹介させていただきます。

関西在住・現在30歳の会社員で、海外案件担当の部署に所属してます。主に英語圏への海外出張が2週間〜1ヶ月単位のものが年に4〜5回あり、日頃の業務でも英語を使用して会議・電話・メール対応をしています。主に営業の部門なのですが、日本語⇄英語の翻訳も行なっています。

今は仕事でもプライベートでも毎日バリバリ英語を使用する生活を送っているのですが、実は大学卒業時には英語が苦手でした。

高校時代、英語は得意科目だったのですが、いわゆる大学受験向けの勉強をしていたため、リスニングやスピーキングは本当におぼつかない程度だったのです。

大学入学後、外国語科目はフランス語とドイツ語を選択したため、ますます英語離れが進み、就職向けにTOEIC対策用の勉強をするのみで、実践レベルの英語スキルはますます落ちていく始末。

その後大学院に進学した際、改めて就職活動を考えた時に、国際的な活躍やキャリアアップのために、当然のごとく英語の必要性を再認識(笑)。時間もお金もなかったため、一念発起してスクールや留学には行かずに独学で勉強に励み、最終的にIELTS 8.5 / TOEFL iBT 116 / TOEIC 965 に到達しました。

その際に語学を勉強するコツを掴んだので、伸び悩んでいたフランス語とドイツ語にも本格的に着手。もはや語学が趣味になってしまったので、合間にスペイン語・イタリア語・ポルトガル語も始め、それぞれCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB1〜B2レベル(英検で言うと2級〜準1級)にまで到達することができました。

元々オタク気質があったため、徹底的に効率の良い勉強法の探求や参考書の研究を重ね、途中遠回りしながらも、一応の目標には達成することができました。もちろん、今後も更なるスキルアップのため勉強を続けていく予定です。ある程度目処が立ち次第、中国語・韓国語・ロシア語・アラビア語の学習もスタートさせたいと思っています。欲張りすぎですね(笑)。

自己紹介が長くなってしまいましたが、こちらのブログでは僕の語学学習の経験をもとに、オススメの勉強法や参考書を紹介させていただこうと思っています。時に各言語の音楽や映画、文学など語学学習のモチベーションのキープに繋がるような記事も作成予定です。

このようなブログを始めるのは初めてなのですが、どうぞお手柔らかに、よろしくお願いいたします。

kitsuné